里モン暮らしは最先端!

里山暮らしの普及が日本を救う!?

2011年の東日本大震災および福島原発事故を経て3年、私たちの社会意識は大きな方向転換のときを迎えている。環境汚染やエネルギー問題はもちろん、食の安全や格差社会の拡大など、311以降、積算する様々な社会問題の根本に意識を向ける人々が急増した。そんな中で都市型の暮らしに様々な矛盾や限界を感じはじめた人々がいよいよ首都圏から西方面、すなわち中部、四国、九州への移住を望み、また実際に移住する、というケースが30〜40代を中心に着実に増えている(2013年度の移住希望地ランキングで岡山県、熊本県、高知県が上位にランクインしはじめたのは決して偶然ではない)。

もっとも、2004年頃から都市部を中心にLOHAS(健康で持続可能なライフスタイル)というコンセプトがマーケットの流行としてアメリカから輸入され、まもなく田舎暮らしや週末農園が富裕層の憧れとなっていったが、今日ではそのコンセプトは、むしろ子どもたちの未来を守る喫緊の課題として、危機感を抱いた上述の移住者たちによって実践される傾向にある。

 

また2012年にNHK(広島)により放送・出版され、話題を呼んだ「里山資本主義」というコンセプトは、まさしく3.11後の意識の方向転換が如実に反映されたものだった。

しかしながら、3.11後の移住者たちが今日共通して突き当たっている課題がある。そもそもこの「里山資本主義」というコンセプトのもつ可能性を、当の里山に暮らす人々や地域社会の自治体自身が認識しておらず、移住者たちとの連携が取れないまま、地域社会を活かす大きな流れを生み出すに至っていない、という現状である。

 

首都圏からの移住者を中心に活動を展開している当法人も同じ課題を認識している。地域社会の再生と都市部からの定住化促進を実践的に進めていくには、もはや国際的な潮流ともなっているこのコンセプトを、地域社会に暮らすより多くの人々に広め、共有していく必要がある。本事業「里モン暮らしは最先端!」はこの課題の解決にむけてのプログラムとして企画された。

幸いにも、熊本には里山資本主義的コンセプトを十分共有しうる基盤があることをこの場を借りて示しておきたい。

2014年のはじめ、東京都知事選に出馬した際の細川護煕元県知事の会見は、日本のリーダーとして、里山資本主義的価値の転換を後押しする的確な方向性を示した。

もはや、今までのような大量生産、大量消費の経済成長至上主義ではやっていけないのではないか。腹一杯ではなく、腹7分目の豊かさでよしとする抑制的なアプローチ。心豊かな幸せを感じ取れる、そういう社会を目指して精神的成熟社会へのパラダイム転換を図っていくことが求められているのだと思います。」

また、近代化の波によって日本の成熟した文化的暮らしが劣化していくのを見かねたラフカディオ・ハーンは、1894年に「極東の将来」と題する演説の最後で熊本第五高等校(現熊大)の生徒に向かって、「私は、質素な習慣と誠実な生活は古来熊本の美徳であったと聞いている。もしそうであるなら、将来、日本が偉大な国になるかどうかは、この熊本魂、すなわち素朴、善良、質素なものを愛して、生活での無用な贅沢と浪費を嫌悪する心を、いかにして持ち続けるかどうかにかかっているのだと申し上げ、結論にしたい」と結んだ。

私たちは今こそ誇りをもって、この熊本魂を復興させ、市場原理主義経済とは別の観点から、真に日本を偉大な国へと転換させる大切な節目にきているのではないだろうか。そして熊本県内の各有志団体が同時多発的に取り組む「くまもと里モンプロジェクト」こそが、そのような試みの宝庫となるべく、あめのゆみも真摯に取り組んでいきたい。

概要

二つの方向性をもったプログラム

  1. 都市生活者たちへのおもてなしプログラム

一つは、里モン暮らしに興味をもつ都市型生活者たちに、収穫の秋から冬の農閑期に至る、豊かでスローな昔ながらのライフスタイルの一端を、様々なフェーズに分けて、具体的に体感してもらう体験型プログラムである。もっともその際、ただ体験してもらうだけでなく、FACE BOOKなどSNSやブログを通じてリアルタイムで多くの友人やフォロワーに独自の体験を画像や動画とともに情報発信してもらう。こうして、熊本の地域社会への関心を口コミ的なセンスで効果的に拡散し、将来的に都市部からの定住者を促す。

プログラム農村編@石貫地区

今年で3年目を迎える耕作放棄地の活用場所で米と大豆の収穫と初の麦蒔き

10月 米の収穫:稲刈り、掛け干し(竹竿組み)、脱穀、精米

11月 大豆の収穫:刈取り、脱穀(足踏み脱穀機)、選別

12月 麦の種蒔き:草刈り、耕耘、種蒔き(大麦、小麦)

プログラム町屋編@高瀬地区

昨年、空き店舗対策で古民家を改修しオープンさせたコミュニティカフェを、さらに多くの人が活用できるよう、コミュニティサロンとして二階部分も改修

11月 古民家改修作業(古い畳を剥がして間伐材の真竹を使った床づくり等)

12月 薪ストーブ設置作業(一階から二階への煙突貫通工事)

2.地域社会のための里モン価値創造プログラム

もう一つは、長らく地域社会に住み続けている地元住民、また地域振興に取り組む自治体構成員に向けて、もはや世界的潮流となりつつある里山資本主義的価値の重要性を様々な側面から伝えるための学習プログラムである。テーマはグローバル経済からの脱却、スローであることから生まれる価値の創造、自然農が伝える食の豊かさ、幸福についての本質論、等々。このような認識を共有することで、それを求めている首都圏からの移住希望者を、定住化に向けて飛躍的に増やすための基礎を築く。

基本的には当法人が運営するコミュニティサロン(あめのゆみダンギドコロ)を活用し、隔週で15名程度の有志を募って、社会問題学習会を「里モンスタイル塾」と称して開催。

また農閑期に入る1月からは月に一度、高瀬蔵にて規模を大きくしたドキュメンタリー映画上映や講演会等、専門の講師を招いたワークショップを開催する。

 

 

広告